第1話

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『…まったく、可愛い娘をこんな暗い中、1人で歩かせるとか、一体どういう神経してるのよ…。』 ぶつぶつ呟きながら暗い夜道を歩く。 …うん、なんか出そうで薄気味悪い。 ただ今の季節、3月の半ば。 いくら春が近づいてきてるとはいえ、夜中はまだまだ肌寒い。 うん、バスケ部なあたしはショートカットなわけでして。 やっぱり髪が短いと首が寒いものでして。 マフラーくらい持ってくればよかった、と軽く後悔する。 『…はぁ。』 何だか牛乳片手に1人淋しく歩いている自分が急に馬鹿馬鹿しくなり、思わずため息をついてしまった。 (…明日の朝も早いし、さっさと帰ろう…。) ポケットに手を突っ込み、早足で帰ろうとしたその瞬間――― .
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