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『…ここはお前のいるべき場所じゃない。―――調伏。』
少年のその言葉を最後に、女の顔は大きく歪み、弾けるようにそのまま消えてしまった。
『………。』
一体何が起こったのか。
茫然とするあたしには全然理解できない。
とりあえず気持ちを落ち着かせるため、下を向いて息を吸って吐いてを繰り返す。
『……こんな夜中に女の1人歩き、やめた方がいいんじゃない?』
『……え?』
頭上から少年の声がしてふっと顔を上げる。
しかし――――
『……あれ?』
少年の姿はどこにもなかった。
辺りは再び静けさを取り戻し、人気を感じることもない。
『………え?』
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