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「ここに人影が見えて誰がいるのかなっと思って来てみた。」
そういうと俺は視線を女に戻した。
「そうですか…。少し考え事していたもので。」
「そうなんですか。てっきりなにかを落としたのかと思ってましたよ。」
「いえ、全然そういうのではないので…。」
「そうですか。けど今日はこれから冷えるので気を付けてください。」
「あ…はい、心配してくれてありがとう。」
彼女は天使を思い浮かべるかのような微笑みで言ってきた。
俺はそれを見て顔が熱くなっているのに気付いて後ろを向いた。
「それじゃあね。」
と言って彼女は逃げるかのように早足で去って行った。
俺はそのまま駐輪場に向かって歩き自転車に乗り家へ帰った。
その道中も彼女のことを気にしていた。
あの人は何を考えていたのだろうか…
あの人はクラスは何組なのだろうか…
また、あの人を見たい…。
あの微笑んだ顔を見たい…。
もっと話したい…。
もしかしたら…俺は一目惚れしたのかも知れない。
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