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勘違いかもしれない……でも何かが前と違う。雰囲気ってやつかな。母さんも父さんも何かおかしい。それだけじゃない……姉さん、ワカミ、てらちゃん、マソオ兄さん‥皆おかしい気もしてきた。
いや、正確には、『おかしくなる気がする』だ。
「変な顔してらしく無いわよカトオくーん」
「鼻沢さん‥別に何でもないよ」
「もしかしてかおるちゃんの『あの事』?」
「‥あの事って何?」
「ええ!?知らないの!!?知らないならいいわよ。ただの噂だし」
「えー気になるよー」
「あのね?世の中には知らない方が‥気付かない方が、いいことってのがあんのー」
「よくそういう台詞は聞くけどさー‥気になるよ……」
と、言っているうちに鼻沢さんはどっかへ行っていた。
……『あの事』ってなんなんだろう‥。
知らない方が、気付かない方がいいこと……。僕がさっき考えてたのも、それだったのかも知れないな。
「忘れろ僕。頑張れ僕」
さぁて校庭の土の匂いでも感じてくるか……
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