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ミナト「全く……私がケダモノ風情の相手をすることになるなんて……」
変わらずけだるい調子だが、この状況に多少憤っているようだ……。彼女の相手をすることになった虎が最も運がない気がするが、なぜだろうか。
ミナト「それもこれも、あの馬鹿(秋風)のせいね……。どうしてやろうかしら。ああ……。こういうのがいいかしら?」
何かを思いついたのか、彼女は右手を突き出す。
そして、次の瞬間──。
・・・・・・・・・
虎の身体が膨らんだ。
彼女は苦しそうにもがく虎を一瞥しただけで、その後は気にもとめない。
ミナト「さて……。虎だとどのくらい持つのかしら」
そう言っている間にも、虎の身体は膨らみ続ける。
そして、ついに限界を迎え──。
・・・
弾けた。
血が肉が内臓が──身体を構成していたあらゆる物が飛び散っていく。
しかし、その飛び散った物の中で最も多かったのは──。
ミナト「水……。体内に水を精製して風船の様に膨らませ、弾けさせる……。駄目ね。後が汚すぎる」
その言葉を最後に、彼女は何事もなかったように歩きだした。
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