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とりあえず、儀礼的ではあるが、語り部を務める者として挨拶をしておこうか。
はじめまして、皆さん。この曖昧模糊なお伽話をご覧いただき、誠にありがとうございます。どうぞ末永くお付き合いくださいませ。
とまあ、一応の挨拶を済ませたところで、本題に入るとしよう。
これから始まる物語は、どうなるのか誰にも予想がつかないものだ。僕は誰が登場するかは知っているが、彼らがどうなるのかはわからない。なぜなら、このお話は比喩でなく、これから始まるものだからだ。
もし知っているとしたら、それは神様くらいのものだろう。
しかし、その神様にしたって、いるかいないかわからない曖昧なものに過ぎない。
……いや、一つだけ、確実に存在する神様がいたっけか。
世界を作り、影から監督してきた女神様が……。
あの神様なら、あるいは知っているかもしれない。
まあ、そんなことを言っても始まらない。どうせ聞いたって答えてくれやしないんだ。
それでは、そろそろお話を……。
おっと、その前に、一つ無駄話に付き合ってくれ。
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