ふざけた若者達

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この来訪者は、今まさに死を迎えようとしていた秋風にとっては天の助けとなっただろう。もっとも……その来訪者に殺されなければの話だが。 秋風「な、なんすか一体!?」 ミナト「……うるさい」 そこまで言ったところで、来訪者は姿を現した。 それは──五頭の虎。 どうやら、猛獣とは虎だったようで、明らかに彼らを狙っている。 乙姫「あら……かわいい」 サーティー「……そうか?」 アティル「おもしれえ……今日の飯は虎鍋か?」 秋風「あれって食べられるんすか?」 ミナト「黙れ……」 秋風「……ひどいっす」 秋風が泣きそうな顔をしているが、ミナトは気にもとめていない。人間を超越した観測者である僕から見ても、恐ろしい女だ。 アティル「なあ、丁度一人一頭相手にできるから、勝負しねえ?」 サーティー「……勝負?」 アティル「そう。それぞれ別の場所に行って戦い、誰が一番早く戻ってこれるか」 ミナト「面白いじゃない……」 乙姫「ビリにペナルティーはあるんですか?」 アティル「向こう一週間の食事当番」 サーティー「うわあ……負けられねえ」 秋風「絶対勝つっす!!」 アティル「じゃ、解散!!」 全員「了解!!」 その言葉を皮切りに、彼らは各自の戦場へ向かっていった。
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