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玄関の閉まる音が微かに聞こえ、家がしんと静まり返って時計の音がやけに響く。
その音に釣られて時計を見ると、針はもうすぐ12時を指そうとしていた。
さすがにちょっとお腹空いたかも。
私はのそりと起き上がると、ボサボサの頭を手櫛でなんとかしようと試みながら冷蔵庫へと向かう。
あ、ピラフ……とサラダだ。
冷蔵庫からそれを取り出すと、そのままレンジに向かう。
が、
あっ!と思った時にはもう手遅れだった。
お皿が割れる音がキンと頭に響く。
「やっば……」
足元には無残に散らばったピラフの残骸。
「どうしよ……」
とても食べれるような物でなくなった事は分かるので、私はため息をつくと側にあったゴミ袋にピラフを片付け始めた。
そうだ、お母さんに先にメールで謝っておこう。
どうせバレるし、帰ってきて見られて怒られるより、今先に沈静させた方が無難だ、絶対。
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