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この時色々と考えた
一宿一飯の恩義をどう返そうかと
農作業の手伝い…
田んぼは田植えが終わっているようだから人手は必要性を感じられない
畑仕事…
それほど大きな畑でもないし夏野菜を収穫するだけの状態で母ちゃんの手だけで事足りる感じ
何かないかとタバコを消し外に出て庭先と納屋を見て回る
そこにちょうど父ちゃんが軽トラックで帰ってきた
『何してんだ?ずいぶん早いんでねか?』
そう言って笑顔を見せながらおりてきた
『おはようございます。目が覚めたんで…』
『朝げは?』
『親父さん待ってました』
『そだな事ええがら食ったらえがった』
家に入る父ちゃんの後に続く
食卓につくと直ぐに炊きたてのご飯に海苔、卵焼き、納豆、糠漬けと豆腐の味噌汁が並べられた
手を合わせて
『いただきます』
ニコニコしながら俺を見る母ちゃん
『見た目と違って…(笑)』
『は?』
何かをいいかけて母ちゃんも合掌して茶碗を手に取った
米が美味い
食事中気になっていた一宿一飯の恩を返すために手伝いを申し出たが予想通り“気にするな”“何もない”と返ってきた。
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