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図々しい俺
料理をパクつく俺を見て老人が目尻を下げながらビールを注ぐ
『そんなに旨そうに食うの見とったらいつもと変わんねぇもんも旨そうに見えるわいの』
『あ、すみません』
夕食は済ませたと言っておきながらガッついた自分が恥ずかしくなった
笑いながら老人がビールを勧めてくれた
恥ずかしがりながらも箸が止まらない
ついつい糠漬けに手が出てしまい小鉢を空にしてしまう勢いに老人が言う
『婆さんもっと切ってやれや』
『食べるかい?』
『すいません頂きます』
苦笑いを浮かべて小鉢を持った老婆が立つ
『歳幾つね?』
『あ、34です。すみません名前も言ってませんでした』
自己紹介をすると老人も名前と家族構成を教えてくれた
老人は徳治さん68歳、老婆はミツさん66歳(以下父ちゃん、母ちゃん)
息子さんと娘さんが居て2人とも地元を離れ、息子さんは俺より10歳上で東京で学校の先生をしているとの事。娘さんは隣の県へ嫁ぎ、たまにしか帰って来ないと言う
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