嗚呼…素晴らしい父親よ。

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そんな頼れる母親と父親がまだ夫婦になる前の話。 ほぼ化石話である。 母親の話によると、父親のアホさ加減は昔からその片鱗― いや。 昔から大車輪の如くアホだったと言うのだ。 当時付き合っていた二人。 当然の様に、デートを重ね、愛を育んでいた。 肉体的な意味ではない。 そしてデートでデパートに行くと、必ず恒例行事があったと言うのだ。 彼氏(父親)探し。 なんとも大規模なかくれんぼだと思わないか。 広大な土地に建てられた、地上高くそびえるビルの内部で、唯一無二の愛する男性を探すのだ。 正直正気の沙汰とは思えない。 母親は、あまりにも毎回で腹が立ったらしく、迷子センターの放送で父親を呼び出したらしい。 父親曰く 「あれは恥ずかしかった…」 父親のアホ話は尽きない。
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