放課後

8/12

13人が本棚に入れています
本棚に追加
/622ページ
一人の剣道の防具を着けた先輩が優哉に近寄ってきた。 「今低レベルとか言ったよな~?」 少しキレてる状態で先輩は優哉に言った。 「え~言いましたよ。低レベルって。」 優哉は無表情だ。 「一つ言うがな、うちの剣道部は全国大会の常連高なんだよ」 先輩は自慢げに優哉に向かって言った。 剣道部だけでない。他の部活も全国大会の常連だ。この銀島高校は運動部が強いことで有名なのだ。 「それが?全国大会の常連だから何?全国に行こうが世界行こうが俺には勝てないよ」 優哉は完璧に挑発していた。 遥とみなみは不安になった。優哉が剣道経験者なのか分からないし、この銀島高校の剣道部は去年見事日本一に輝いているのだ。例え経験者でも勝ち目はないだろう。 しかし優哉は余裕の表情だ。 「誰か!こいつに防具と竹刀貸してやれ!日本一の強さ思い知らせてやる!勿論試合するよな?」 先輩は完璧に怒っている。無理もない。全国大会常連高なのに低レベルと侮辱されたからだ。 「勿論やるよ。30秒いや、10秒で終わらせるよ。」 優哉は凄い自信だ。 優哉はカバンを置き、学ランを脱いで防具を着けに向かった。 「大丈夫かな…優哉君…」遥は心配している。
/622ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加