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優哉は防具を着けて竹刀を構えた。ヤル気満々だ。
「良い覚悟だ。後悔するなよ。」
と言い先輩も構えた。
審判が「始め!」と言った瞬間、そこに居合わせた人は皆唖然とした。
「面!」と言って竹刀が防具を叩く音がしたと思ったら優哉は既に先輩の後ろにいた。
なんと優哉は1秒もかからない早さで先輩から一本を取ったのだ。
皆は驚いたし、一番驚いたのはやはり先輩だ。竹刀を落とし膝まついた。
「ば、馬鹿な…」
先輩は震えていた。目に止まらぬ早さで一本を取られたのだから…
「10秒かからなかったね。1秒もかからなかったかな?だから言ったろ。勝てないって。アンタと俺では身体能力が違うんだ。」
優哉は膝まついた先輩を見下しながら言った。
防具を取り、整えて先輩の前に置いた。
「ありがとうございました」
優哉は一礼して置いておいた学ランを着てカバンを持ち武道場をあとにした。
遥とみなみはビックリしていた。
あの優哉が全国レベルの剣道部の部員を1秒もしないで倒したのだ。
「何者なんだろ…優哉君って…」
遥は呟いた。
「不思議ちゃんだね」
みなみは笑いながら言った。
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