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優哉は意識を集中し、誰かと話し始めた。
勿論誰にも聞かれていない。
『裏切り者をやっと見つけた。すぐに抹殺する。』
優哉は今にも“裏切り者”を抹殺しようと、立って制服の内ポケットに手を入れた。
『待て!まだ早まるな。』話し相手が止めた。
『何故だ!抹殺するのが俺の任務だろ。』
優哉の動きは止まった。
『今殺してはお前の正体がバレるだろ。今バレてはまずいんじゃないか?』
確かに言うとおりだ。周りには生徒が居るし、遥とみなみも居る。ここで裏切り者を殺したら優哉の正体がバレてしまう。
『それに“裏切り者”の正体もバレる可能性がある。一般人にはまだ知られてはいけないだろ。お前たちの事を』
『…だな…ならいつ殺せばいい』
優哉は制服の内ポケットから手を出し座った。
『殺すタイミングはこちらで作る。詳しい事が決まったらまた連絡する。』
『分かった。なるべく早くしてくれよ。』
『分かっている。くれぐれも勝手に殺すなよ。』
『そんなこと分かってる。』
優哉と謎の相手との会話は終わった。
「優哉君!?大丈夫!?」
気付いたら遥が心配そうな顔をして揺さ振っていた。
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