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月明かりが綺麗な夜、辺りは静まり返っている。
一人の男子高校生は宮橋を渡っていた。
名前は山口勉、銀島高校に通う一年生だ。
坊主頭でがっしりとした体格だ。
時刻は夜8時、勉はこの時間帯に散歩するのが日課のようだ。
「今日も月が綺麗だ。」
上を見上げ呟いた。ちょうどこの日は満月。
「うん?」
勉は前を向いたら黒いコートを着た一人の人間が立っていた。フードを被っているので顔は見えないが、こちらを見ているのは確かである。
「…お前だな…C49…」
黒いコートを着た人間は勉に向かって言った。それを聞いた勉は驚いた。
「C49だと!な、何故それを!?まさか!?」
勉は一歩後ろに下がった。
「…そのまさかだよ。二年前脱走した裏切り者、C49!」
静かな辺りにその声が響いた。
「くっ!何故見つかった!」
勉は驚きを隠せないようだ。
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