惨劇の始まり

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「しゃーねぇな、今夜だけだぞ」 佳奈は嬉しいそうに微笑むと2人は電車に乗った。 目的の駅までは電車で15分くらいある。 それまでの間外を見ることにした。 電車の中は扇風機のおかげで外よりは暑くはないがそれでもやはり暑かった。 ただ立っているだけで汗が流れだす。 あれから10分が経過した。 外の景色は川から林に変わっている。緑を見ていると暑さを少し和らげてくれるような気がした。 電車の中は段々人が入ってきて窮屈になっていくのでもう限界スレスレまで暑くなったと思ったその時、電車は目的の駅に着いたので急いで降りた。 電車の中も外もあまり暑さは変わらない。 「大丈夫か?佳奈」 辛そうな顔をしていたので心配してしまった。 「大丈夫。もう少ししたら良くなると思う。満員電車はもう嫌よ」 佳奈はブレザーの誇りを叩いたが誇りはおちない。 それにしても夏なのに何故ブレザーを着ているのか疑問に思う人も多いだろう。 俺の高校は登下校中はブレザーを着用しないという可笑しなルールが有り、学校内ではどっちでも良く、Yシャツをズボンやスカートから出しても構わなかった。
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