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翼は教室に入ると直ぐ様ブレザーを脱ぎ、Yシャツをズボンから出す。
「おはよう翼」
後ろから大輔の声がした。
「ああ、おはよう大輔」
「なぁ、聞いてくれよ、夜中に目を覚ましてトイレ行こうとしたら窓の外から変な音がしたんだ。それで見てみたら黒いフードを被っていて鎌をもっている何者かが道路に浮いてたんだよ!もう、怖くて眠れなかったよ」
確かに大輔の目の下にはうっすら、くまができていた。
「見間違いだろ」
翼はそういうのは信じていないのでホラーやミステリーは完全に否定している。
「見間違いじゃねーよ。だったら外から聞こえた音はなんだよ」
「空耳か、風が窓にあたっただけだろ」
だいたいそんなのが何故夜の町にいるというのだ。
「そんな音じゃないって、鎌を道路で引き摺る音だったぞ」
「あのさ、そういう話を信じてない俺にそんな単純な話をなんで信じ込ませたいんだよ」
翼は鞄の中にある教科書をすべて机の中に入れる。
「本当だってば、ああ、翼に言う俺が馬鹿だったよ。親友なら信じてくれると思って話したのにさ」
まずい、言い過ぎたか。
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