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「いってきまーす」
清清しい春の風が吹く4月
今日は大学の入学式。
小さい頃から大学生に憧れていた私は今日という日が待ち遠しくてたまらなかった。
「おはよう」
玄関の戸を開けると聞き慣れた声が聞こえた。
「光介!?なんでいるの!?」
「なんでっていちゃ悪ぃかよ」
私の家から大学までは歩いて30分くらいのところにある。
元々光介の家と私の家は近所にあるが、大学入学をきっかけに光介は大学付近にアパートを借りて一人暮らしをするようになった。
「おまえ方向音痴だし入学早々遅刻はまずいだろ?(笑)」
「うるさいなーもう」
そうは言うけど、大学までの道のりは複雑で、光介には慣れた道だったから迎えに来てくれたことに私はほっとしていた。
というのも、光介は私の1学年上で先輩にあたる。
仲が良すぎて今では敬語とか全然使ってないけど…。
光介とは中学の頃初めて知り合った。
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