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紅霧異変後日談
薄暗い森の中。
普段、例外を除いて、人間が近寄らない魔法の森。
そんな森には似つかわしくない、脇を露出させた巫女服を纏う少女が一人、宙に浮いていた。
『残念ね…逃げられなくて。』
幻想郷の巫女、霊夢はそこだけ闇を凝縮した様な球体に、片腕を突っ込んだ状態で薄く笑う。
暗闇を掴むことなど出来るはずがないのだが、その闇はまるでもがくように霊夢の腕を中心にジタバタと揺れていた。
『諦めなさい。ーーーーーー『散』』
霊夢が何か呪文の様なものを唱えると同時にその球体は溶けるように霧散し、その中から金色の髪をした少女が腕を掴まれ、その腕を振りほどこうと暴れている様が現れた。
『な、何の用なのかー!?』
『昨日ぶりね。ルーミア』
ルーミアと呼ばれた少女はなんとか逃げようと暴れるが、どういう事か霊夢の手はビクともしない。
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