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どれくらい経ったのか、やがて、涎の糸をひきながらお互いの唇が離れ、霊夢が固定するようにルーミアの腰に回していた腕をほどくと、支えを失ったルーミアはその場にへたりこんだ。
どうやら腰が抜けたらしい。
その姿を見て満足そうに頷くと、霊夢は丁寧に
『良薬は口に甘し。かしら。ご馳走さま。』
とわざとらしく両の手を合わせた。
ぐったりとしたルーミアは普段色白な顔を今は真っ赤に上気させ、酸欠なのか荒い息をつきながら、口の端に溢れた涎を拭くこともせず、トロンと微妙に焦点の合わない眼をしている。其が妙に色っぽい。
霊夢は呆然とするルーミアに再び顔を寄せると
『次やったら、もっと凄い事するから☆』
と、囁き
『わかった?』
と、ルーミアの口から溢れた涎を舐めとる。
瞳に涙を一杯貯めながらガクガクと壊れたように頷くルーミアに微笑みかけると
『よろしい。』
と囁いて、嵐のようにやって来た巫女は風のように飛び立った。
後には、乱れた姿で放置され、ガクガクと震える憐れな妖怪が一匹。
ルーミアのトラウマになったのは言うまでもない。
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