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回想
『…で?これでよかったの?』
ふよふよと森の上を飛びながら、霊夢が何処に向かってと言う事無く呟いた。
『上出来よ』
どこからともなく。
というか、霊夢の右側の空間にスウッとリボンと一本の切り込みが入り、その中から、返答が返ってきた。
それは、くぱぁ、とでも効果音を発しそうな感じで左右に広がり
『ただ。すこしやりすぎだったかもね?』
クスクスと笑いながら、その空間に開いたスキマから一人の女が顔を出した。
八雲紫。境界を操る程度の能力を持つ、最強クラスの大妖怪である。
『別に激しいキスである必要は無いのよ?ただキスである。という事象が重要なの。』
どこか底が知れない笑みを浮かべる紫の言葉に霊夢は興味無さそうにふぅん、じゃルーミアには少し悪い事したわね。と、とくに悪い事をしたと思っていないような口調でそう言うと、すぐに隣に浮かぶ紫に向かって不機嫌そうに
『それより昨日の話は本当なんでしょうね?』
と睨んだ。
そう、話は昨日に遡る。
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