1人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は黙ってその紙切れを受け取ると、中に書かれた文章にサッと目を通した。
「参加希望する場合は
建物に隠された鍵を探せ」
たったそれだけだ。
紙切れの端っこに小さなマークが描かれている。
「逆さまの"命"が書いてある」
立夏がマークを煙草で炙ろうとした。
俺はとっさに手を引っ込める。
「イタズラだとしても、普通じゃねぇよ」
立夏は溜め息をつくと、煙草を灰皿に押し当てた。
そして大きくのびをする。
「全部の部屋の扉がこじ開けられてんだ。ありとあらゆる隠し部屋のまで」
「でも、どのセンサーも踏んじゃいない」
憂陽がPCから顔を上げた。
手だけはキーボードを叩き続けている。
「お前の高感度センサーに掛からずに行動するなんて不可能だろ」
「でも、扉は壊されているし、現に荷物は最初からここにあったんだよ」
確かに、それは疑問だ。
一体どうやったのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!