痕跡

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俺は黙ってその紙切れを受け取ると、中に書かれた文章にサッと目を通した。 「参加希望する場合は  建物に隠された鍵を探せ」 たったそれだけだ。 紙切れの端っこに小さなマークが描かれている。 「逆さまの"命"が書いてある」 立夏がマークを煙草で炙ろうとした。 俺はとっさに手を引っ込める。 「イタズラだとしても、普通じゃねぇよ」 立夏は溜め息をつくと、煙草を灰皿に押し当てた。 そして大きくのびをする。 「全部の部屋の扉がこじ開けられてんだ。ありとあらゆる隠し部屋のまで」 「でも、どのセンサーも踏んじゃいない」 憂陽がPCから顔を上げた。 手だけはキーボードを叩き続けている。 「お前の高感度センサーに掛からずに行動するなんて不可能だろ」 「でも、扉は壊されているし、現に荷物は最初からここにあったんだよ」 確かに、それは疑問だ。 一体どうやったのだろうか。  
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