胡蝶蘭

わからない

次の週、病院に行くとそこにはいつものお母さんがいた。
そしてオレにプレゼントくれた。
毛糸で作られた人形。
手術前に母がベットの上で編んでいたものだった。
小学校３年にもなって人形だなんて。

その日から毎晩お母さんの匂いがする毛糸の人形を抱きながら寝ていた。

それから何ヵ月か過ぎて、お母さんは家に帰ってきた。
旅行用の大きなバックを持って帰ってきた。
何も変わらない生活がまた始まった。
一つ変わったことがある…。
それはオレがお母さんとお風呂に入らなくなったということ。
お母さんの体を見たくなかった。

だってお母さんのオッパイが片方なくなっちゃったから…。