212人が本棚に入れています
本棚に追加
何気ない毎日が続いていた。
おじぃちゃんとおばぁちゃんがいて、お父さんとお母さんがいる。
それが当たり前なんだから…。
どちらかと言えば裕福な家庭だった。
欲しいものは買ってもらえて、お小遣いも周りの友達よりも多かった。
長期の休みには海外旅行に行くこともあった。
今になって思う…
幸せだった。
なのにオレは親にありがとうの言葉を言ったことがなかった。
言ったことがないから恥ずかしかっただけで大した理由はない。
それを親はわかっていたのだろう。
ありがとうの言葉をオレに催促するようなことは1度もなかった。
そんな当たり前の何気ない毎日を送っていたある日、お母さんのガンは再発した…。
最初のコメントを投稿しよう!