家族との別れ

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35歳で最初の摘出手術を受けてから4年の月日が流れていた。   何気ない毎日を送る中で思いもしなかった乳ガンの再発。   思いもしなかった再発… それは子供たちだけ。 再発すること知らなかっただけで周りの大人はみんな心のどこかで恐れていたのだろう。   恐れていた再発。   またお母さんのいない生活が始まったのだった。   だがあの時とは違う。 オレは中学2年生、弟は小学5年生になり身の回りのことは自分でできるようになっていた。 掃除まではしなかったが、洗濯や自分の食べたいものを作るぐらいはできる。 お母さんがいないという時間がオレや弟を大きく成長させていく。     もう毛糸の人形はいらないよ。
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