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そんな毎日を送っていたある日
おじぃちゃんが死んだ。
84歳で老衰。
体調不良で入院してから2ヵ月…
あっという間だった。
おじぃちゃんの死に涙を流す人がたくさんいた。
おばぁちゃんもお母さんも親戚の人たちも。
お父さんは
泣いていない。
子供の前で涙を見せるわけにはいかないという、父親としてのプライドか…
それとも息子として父親の死に悔いがなかったのか…
どちらにしてもそんなお父さんを尊敬した。
そしてオレも涙を流さなかった。
おじぃちゃんとの思い出はほとんどない。
朝早くから日が暮れるまで畑仕事で家にはいない、おじいちゃん。
帰って晩酌してすぐ寝る、おじいちゃん。
すれ違いの生活で関わることがなかったが、それでも家族だ。
家族の死に涙が出ない…
家族ってなんだろう。
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