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再発から2年、今までと変わらないお母さん。
そう思っていたのは子供たちだけだったのかもしれない。
体の調子がよくなかったのか、オレが高校生になるとお母さんはパートをやめた。
母親としてのプライドなのか、子供に弱いところを見せなかった。
今になってみればそう思う。
そのころのオレは相変わらず生意気な口をきいていた。
それでも少しは学校のことや部活のことを話すようになった。
それでもまだ子供で、心配性なお母さんは学校の送り迎えや身の回りのことはやっていてくれた。
そのころのお母さんの口癖は怒り口調で
『お母さんがいなくなったらどうするの!』
いなくなったら?
いなくなるわけがない。
オレはいつもの説教程度にしか聞いていなかったが、お母さんは先が短いことをわかっていたのだろう…。
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