虫の知らせ

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高校卒業後、オレは専門学校に進学した。   このころになるとおばぁちゃんは家にはいなかった。 おばぁちゃんは足腰が弱くなり、介護が必要になったのだがお母さんは自分の病気のことで精一杯。 お父さんの妹夫婦の家で暮らすことになったのだった。   おばぁちゃんの先が長くないということをみんながわかっていた。   歩くことすらできなくなったおばぁちゃん。 ほとんど寝たきりになってしまった。 それでも自分の住み慣れた家に帰りたいらしく、帰ってきたことがあった。 車イスがないから車まではオレがおばぁちゃんを背中に背負っていった。   小さくて可愛いおばぁちゃんは予想以上に軽かった。   おばぁちゃん、逆になっちゃったね…。
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