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「雅、授業中写すから見せ……」
俺は授業中にその宿題を書き写すために、雅の宿題を借りようとした。
「嫌です。そんなことをしたら欲夜君の為になりません」
だが、雅は貸してくれないようだ。
でも……雅はいじわるなわけじゃない。
本当に俺の為にならないと思ったから貸してくれないのだろう。
「そうですね……数学は六限目ですから、昼休みにでもやればいいんじゃないでしょうか。わからない所は私が教えてあげますよ?」
ほら、ちゃんと……宿題を教えてくれるみたいだし。
雅は昔からこうだ。
宿題を丸写しさせてくれたことはないが、ちゃんと何らかの方法で俺を助けてくれる。
さっきも写させてくれないかダメ元で聞いてみたが、今回はわざわざ昼休みの時間を俺に割いてくれるらしい。
なんか……申し訳ないな。
宿題をしてこなかったのは俺のミスなのに。
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