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「……………………ぼ」
途端、彼女の頬が朱に染まる。
「あらら~、では、私も~」
翠も空と同じように本を覗き込んで、すぐに顔を真っ赤にした。
「え、え-と」
当事者である湊でさえ、状況が呑み込めていない。
自らの部屋で、幼なじみの少女三人がえっちな本を見て赤くなっている状況。
そんな中、一番最初に動いたのは空だった。
「……………………きょ、今日はもう帰る。く、くっくっ」
「あ、そ、空待ってよ!」
「わ、私たちも失礼しますね。で、では」
続いて翠たちも部屋を出て行き、玄関では扉が開く音がした。
やがて、一人になった湊はどうしたものかと考える。
思えば、玲たち三人とは小学生の頃からの『友達』だ。湊との間に恋愛感情などない。
前にも、間違って湊が女子更衣室に入ってしまったことがあるが、その際は別に何もなくただ可愛がられた。
しかし、今回のように直接性に関するようなことは今まで一度も無かった。
「どうしたんだろ……」
悩める少年は首を傾げるだけだった。
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