prologue

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 しかし、所詮相手は只の機械。  組み込まれたプログラムに従うだけの心無き、操り人形。  男の行動は機械であるメカニロイド達には理解出来るはずもなく――  少年の緑の瞳に、赤い鮮血が映る。  男の頭はガレオン・ハンターの一斉射撃によって消し飛び、残された体は地面に仰向けに倒れ込んでいた。  男の無惨な様子に少女は絶句。声も出ない様子で、固まっていた。しかし、その目は男の首を見つめていた。  ――ドクッ、ドクッ、と。  未だ動き続ける心臓の鼓動に合わせて、首の断面から血が噴き出す。赤い鮮血は地面に水溜まりならぬ、血溜まりを作り、徐々にその範囲を拡大していく。  少女がその場で硬直している中、ガレオン・ハンター達は砲口を――男の傍に座り込む少女へと向ける。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆  少年は再び走り出していた。  先程の惨劇が頭の中でフラッシュバックする度に、少年は嫌悪感と吐き気に苛(さいな)まされていた。  心臓の鼓動が高鳴る。脈打つ速さが増していく。疲労からくる汗と、恐怖、緊張からくる汗とが混じり、少年の服は気持ち悪いほど、べたつき、少年の肌に張り付いていた。  喉もカラカラに渇いていた。幾度もの爆発により、あちこちから有害物質を含んだガスが漏れており、淀んだ空気が周辺を漂っていた。そのため、少年は汚れた空気を肺に吸い込んでいたのだった。 「……か、あさん……」
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