19人が本棚に入れています
本棚に追加
あの少女はどうなったのだろう。男と同じように殺されたのだろうか。ここに来ている他の人々もあんな風に?
自分もあんな風に殺されるのか。はぐれた母さんは……?
「ぎゃあああ!!!!」
――嫌だ。
「う、うわああぁ!!!!」
――嫌だ。
「いやああぁぁ!!!!」
――嫌だ。
――嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない……!
あちこちから聞こえる人々の叫び声を拒絶するかのように、少年は両耳を手で塞ぐ。
「うわあぁぁああぁあ!!!!!!」
文字通り、絶叫。
極限状態に追い込まれた少年、ましてや五、六歳の幼き少年である。
そんな幼き少年の、溢れ出した感情を、一体誰が止められようか。
全身から噴き出す汗。その緑の瞳からは大粒の涙がとめどなく溢れ出す。
――嫌だ!
あまりの恐怖に頭を抱え込み、混乱する少年の元に。
――嫌だ!
感情無き戦闘兵器が、ゆっくりと歩み寄る――
最初のコメントを投稿しよう!