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「っ……は!?」
息を吹き返すように、突然目を覚ます少年。
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……あ?」
寝ていたベッドから体を起こし、自分の周りを見回す。
窓から差し込む光。ゲームや、機械や、お菓子の袋などのゴミなどが散らかっている。
見覚えのあるこの場所。
「――オレの……部屋、か」
寝癖でボサボサの黒髪。起きたばかりのせいか、半開きになっている緑の瞳。どことなく、幼さの残る顔つき。見た目は十四、五歳といった感じだろう。
ふと、少年は嫌悪感を感じる。
「気持ち悪い……」
汗で全身がびっしょり濡れている。
少年はベッドから降りて、洗面所に向かった。
蛇口をひねり、水を出し、手で水をすくって顔を洗う。そばにかけてあったタオルをとり、顔を拭く。
(また……あの夢か……)
目の前の鏡に映る自分の黒髪を見ながら寝癖を直し、少年はタオルを持ったまま部屋に戻り、着ていた服を脱ぎ捨てる。
クローゼットの中から、仕事用の青い制服を取り出し、袖を通していく。
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