ある夜の話

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私は目を開けて、数度瞬かせる。もう一度、扉がノックされた。 「……」 部屋の扉へ視線を走らせる。こんな時間に誰が訪れてきたのだろうか。 小さくため息をついて、私は、扉まで歩み寄って開く。 そこにいたのは、 「……お嬢様」 「なによ」 「いえ……驚きまして」 お嬢様だった。普段の寝巻きのうえに、カーディガンを一枚羽織っている。
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