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「すずか」
「日直?」
彼女は鞄を背負っていた。
私のところまで歩いてきて、それから日誌をのぞきこむ。
「大変だね」
「本当よ」
なんでもない風を装う。けれどすずかの匂いで、心臓が高鳴っている。
おかしな感情だ。
「帰ろうとしたんだけどね、」
すずかが話し出した。私が頷くと、彼女は笑みを浮かべて、
「アリサちゃんがいなかったから、戻ってきちゃった」
「先に帰っててもよかったのに」
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