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「って……おわっ!?」
大人しく寝転がった銀時に、布団をかけてやろうとした矢先、何かに腕を掴まれてそのままバランスを崩して…。
気付けば銀時の腕に抱きしめられる形になっていた。
「全ちゃんってば積極的♪」
「はぁっ!?何言って……お、お前が引っ張ったか、らっ…!!」
今度こそは本気でぶん殴ってやろうと思ったが、相手の顔をまともに見た途端動けなくなってしまった。
目の前の病人が、余りにも優しい瞳を向けていたから…。
熱い吐息、火照った顔、少し肌蹴た寝巻の隙間から覗く白い肌。
とろんと熱く潤んだ瞳に見上げられ、一歩間違えれば変な気さえ起こしそうになる。
無論、一歩も間違うつもりはないが。
「全蔵……、好きだよ。」
「お、おま…っ、何、考え…っ」
「お前とキス、してェ。」
「……っ!!!!」
熱の出過ぎで気でもふれたか!?
とんでもないことを言い出した銀時に、戸惑いを隠せない全蔵。
後頭部に腕を回され、ゆっくりと顔を近付けられていく。
「は…離せテメ…っ!!!それ以上変なことしやがったら…っ!!」
唇が触れ合う寸前でハッ―…と我に返った全蔵は、渾身の力を込めて相手の腕を振り解き、隣へ転がり込む。
しかし次の瞬間、ずっしりと覆い被さってきた相手に身動きが取れなくなっていた。
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