ねこまんま ― 全蔵side ―

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そして今日。 いまだに戻ったという連絡はない。 「アイツどこほっつき歩いてんだよ。連絡ぐれェよこせってんだ…。」 子供たちにまで心配掛けさせんじゃねェよとぼやき、そろそろ冷たい外気をシャットアウトしようと踵を返した。 が、後ろ手に障子を閉めかけた瞬間、フワリと香った甘い香りに思わずハッと振り返る。 「坂田…っ!?」 確かに奴の気配を感じたはずなのに…。 その視線の先にいると思った人物像はなく、廊下に出て辺りを見回してみても、自分以外の人の気配は存在しなかった。 「まさかな。いるわけねェか…。」 足跡さえなく、先程と何一つ変わらない雪景色に安心したような寂しいような、良く分からない複雑な気持ちで溜息をつく。 そもそも、この家は忍者屋敷。 正規のルートを踏まなければここへたどり着くことはおろか、直ぐにトラップに捕まり地下室送り。 入って来られる訳がな―…      …―カサッ 「誰だ…っ!!!」 草木を揺らした僅かな気配に、咄嗟にクナイを構え目を凝らす。 こんなところまで入って来られるなんて。 一体どれほどの手練だと緊張を走らせていると、草陰から出てきたのは、雪をかぶったそれはそれは小さな―… 『…に……にゃおん…。』 ………猫?   ゚*,†ねこまんま†,*゚     ‐全蔵side‐
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