いちご牛乳はキスの味

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「じゃ、これ食ったら薬飲んで寝ろよ。ここ、置いとくから。」 そんだけ口叩く元気があるなら大丈夫だろ、とその場を立ち去ろうとする全蔵。 『もう少し傍にいてほしいのに。』そんなこと言ったらブッ飛ばされるかもしれないので、控えめに青いコートの裾を掴んで引きとめた。 「何?まだ何か用?」 「もうちょっと…いろよ。……食器、誰が片付けんだコノヤロー。」 面倒くさそうに振り向いた全蔵に、素直になれない銀時。 健康体なら、今頃形勢逆転しているはずなのに、と少し唇を尖らせる。 やれやれと頭を掻いて、再び横に座り直す全蔵は、憎まれ口をたたくわ、素直じゃないわで可愛くねェ野郎だが、なんだかんだいってやっぱり優しいというか、頼まれたら断れない性格というか、自分のメールに気付いて駆けつけてくれて、看病どころか、律儀に粥まで作ってくれて…そういうところ全部ひっくるめてやっぱり俺はコイツのことが好きなんだと再確認させられる。 「さっさと食え。」 「え、フーフーしてくれんの?」 「鍋ごと流し込んでほしい?」 「冗談です。ごめんなさい。」 にこやかに殺気を放つ全蔵に、マジで殺られると察知した銀時は、渡された茶碗に乗ったホカホカと湯気を立てるお粥を大人しく自分でフーフーしながら口に運んだ。 お粥に卵と至ってシンプルな組み合わせ…、 「お前んちの冷蔵庫、何もねェから仕方ねェだろ。」 お前は読心術でも身に付けてんですかァァァ!!? 別に文句がある訳じゃないからね? 見たまんま思っただけなんだよ? これ以上に嬉しいことはないくらい嬉しい訳で…って、アレ? 俺んちの冷蔵庫ってことは…
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