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「お粥にもコレ飲む訳?」
銀時は、気を利かせて冷蔵庫から持ってきてくれたのであろういちご牛乳のパックを差し出され、嬉しそうに受け取ると、粥にその組み合わせはないだろと若干引き気味の全蔵が見つめていたが、気にすることなく余程喉が渇いていたのか、こくこくと美味しそうにいちご牛乳を飲み干していった。
「ごっそーさん。」
ニッコリと笑う銀時の顔。
コイツはいつもそうだ。
人が辛い時には我慢するなとか言うくせに、自分が辛い時は誰にも気づかれないように殻に押し込めて。
俺が気付かないとでも思ってんのか。
まだしんどいんだろーが。
完全に熱が下がっていない為、肩で呼吸をしている銀時に、全蔵は心の中で呟いた。
『俺に助けを求めてきた時ぐらい、素直になりやがれ。』
困ったように笑う全蔵に、見透かされていることを悟った銀時は、敵わないと言わんばかりの顔で頭を掻いた。
そんな余計なとこばっか見えてねェで、俺の気持ちに気付けよ、と。
「コレ飲んで寝な。」
「ヤダね。苦いしー。…あ、全ちゃんの口移しなら飲―…ゴフッ!!」
口元に近付けた薬を、ガキの様に拒む銀時の口に、半ば強引にねじ込んで、水を無理矢理飲ませてやった。
きっとこのまま口頭でやり合ったって埒が明かないのは目に見えている。
一発ぶん殴ってやろうかと思ったがやめておいてやった。
病人相手にそこまでするほど俺も鬼じゃない。
隣で坂田がゲホゲホと数回咽ていたような気がするが気のせいだ。
後は寝床に横にならせて、布団をかけてやり、食器を洗って帰るだ…け――…!?
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