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「さてさて、手頃な仕事はありますかね」
ベルカにやってきて一週間、格安の家を借りてようやく落ち着いて来たころ
ここは前に居た所よりかは仕事はあるものの、やはり平和な国なので大きく手堅い仕事はそれほど無い
小さい仕事―引っ越しの手伝いや迷子になったペットの捜索などだが―ぐらいしか無いので、とりあえず数をこなして生計を立てている
今日も仕事を探しに酒場へ来たのだが、案の定大きい仕事はなかった
「仕方ないっちゃあ仕方ないかな…」
あまり文句言ってられる立場では無いので、今日入った仕事の中で一番金額の大きい仕事の張り紙を取り、自分に言い聞かせるように呟く
「おはようさん、アルフ。今日も仕事かい?」
「まあね、飯食えなくなるからな」
カウンターに張り紙を持って行くとマスターが話しかけてきた
一週間毎日やってきては仕事を引き受けているので、マスターとは簡単に顔馴染みになった
張り紙を渡し、早速仕事へ向かおうとした時マスターに呼び止められた
「なあアルフ、蒼い亡霊の噂知ってるか?」
蒼い亡霊?ここに来て一週間だが耳にしたことは無いな…
「どんな噂なんだ?」
「ここだけの話じゃないんだが、最近蒼い光の亡霊が出るって話で、そいつは昼間にも現れては何か探してるって噂らしいんだ」
何か探してる…か。何かしらの未練を残して死んだ奴の幽霊か
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