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「あー、騎士団の全員言う通りにしてもらってもいいか?」
口を開き、そう言って騎士達を見やったの青年だった。
「貴様…こいつらをみすみす逃せと言うのか!」
「そうしないと、あの子が危険なんだろ?」
「っ!…くっ…致し方ない…」
青年の説得により、騎士達は全員武器をその場に捨てた。
その様子をうかがっていたリーダー格の男はニヤリと笑った。
「そうそう…言う通りにしてりゃあいいんだよ。それと小僧、てめえも武器を捨てな」
騎士達が武器を捨てた中、青年は未だに背中に大剣を背負ったままだった。
「慌てんなよ、言う通りにするさ」
それを聞いた青年は飄々とした態度で言い、背中に背負っていた大剣を抜いた。
「ほら、さっさと捨てろ」
「そう急くなって…ほら」
抜き放たれた大剣は、リーダー格の男の前に放り投げられる。
綺麗な弧を描いてリーダー格の男の目の前に突き刺さった。
そして、その瞬間だった。
「……ふっ!」
「ぐふぁっ…!?」
くぐもった声を出して吹き飛んだのは、少女を抱えていた部下の一人だった。
その場に居た全員は、一瞬何が起きたのかもわからず動けずにいた。
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