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「油断大敵だぜ?」
いつの間にか、青年は捕らえられていたはずの少女を抱きかかえていた。
青年は武器を捨てる時、誘拐犯達の意識を武器に向かせて、その一瞬の隙に少女を救い出していたのだった。
「なっ…このガキ…」
「騎士団の皆さーん、今のうちだぞ?」
「…青年、良くやった!全員確保!」
少女を奪い返そうと迫るリーダー格の男を軽く流しながら距離を取れば、動けずにいた騎士達に声をかけた。
それにすぐさま反応した隊長は部下へ号令、素早く武器を拾い制圧を始めた。
鎮圧まで、時間は大してかからなかった。
隊長の指揮力に誘拐犯達の動揺が相まって、ほぼ一方的に制圧していったのだった。
「青年…協力感謝する。君のおかげで、姫を無事救出することが出来た」
「気にしなさんな、人間として当然のことをしたまでのこと」
あっけらかんと言う青年に、感謝を述べた隊長は苦笑した。
そこに、眠らされていた姫が目覚めたと部下の騎士が報告に来た。
その話を聞いた隊長、軽く会釈をして青年から離れた。
「さて…そろそろ行きますかね」
放り投げてあった自分の剣を回収した青年は、再び旅路に戻ろうとした。
そこに、先ほど姫の元へ行った隊長が今度は姫を連れて戻って来た。
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