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「現くん。僕はグアルディエール・マルデというんだ。よろしくね」
グアルディエールに笑顔を向けられ、現は当惑した。
「さっそくだけど、僕たちは君を殺しに来た。僕たちは天界本部の軍隊だ。このカムチーの一族は他の人間共とは一線を越した強い力を持っているため、そのうち天界に悪影響を与えるだろう。と、天界本部…梵天(ブラフマン)と観世音菩薩(アヴァローキテーシュヴァラ)と帝釈天(シャクロデヴァーナムインドラー)が判決を下した。特にその中でも君は危険人物とされてる。だから、滅亡させるために僕たちが派遣されたってわけ」
「やめて! その子だけは……」
母がグアルディエールの話を遮った。グアルディエールは打って変わって冷ややかな視線を母に向けた。
「なに?ちょっとうるさいよ」
彼は右手を前に掲げた。その手のひらが輝き、にわかに光の刀となった。
彼は光の刀を現ではなく母に向けた。
現が咎める間もなく、グアルディエールは光の刀を彼女の心臓に突き刺した。
恐怖と絶望が死によって人の顔に固まった姿が、現の目に焼き付いた。
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