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『おめでとう~!!』
パーンとクラッカーの音が鳴り響く。
先生達がにっこり笑って私に暖かい言葉を贈ってくれる。
「はい!そしてつぎは僕からだよ。」
と切り出して、大きな花束をくれた。
「合格おめでとう。ここにいるみんなが、真唯ちゃんの可能性を信じてこの時を待ってたよ。本当におめでとう。それと…退院おめでとう。」
「えっ!?」
「真唯ちゃんは、すごいよ。病気と戦いながら乗り越えるなんて。」
「先生!私嫌です!ここに居させて!」
嫌だ!今が一番幸せなの!
「もちろん!いつでもおいで!僕らは、真唯ちゃんの幸せを願ってるから。」
「そうよ!頑張って!」
「がんばれ!」
嬉しい。
「私、先生達に会えてよかった!ありがとう!また、またいつか来ます!」
「ああ、ここで待ってる!」私は嬉しくて駆け回った。
やった!!やった!!
初めて人から認められた。そう感じた。
「この数ヵ月で本当に成長しましたよね~。本当にびっくりですよ。」
と助手の人がいう。
「本当だね。……まるで我が娘が去っていくようだ。」
私は走って家に向かった!この喜びを伝えたい!
家の扉をあけて
「ただいまー!!」
と大きな声で言う。
「あのね、私ねあの鬥龍高校に合格したんだよ!がんばったんだよ!」
「あらぁ!真唯はすごいはね。さすが私の娘ね!」
お母さんが喜んでくれる。そう、これが本当のお母さんなんだよ!
「お母さん!!」
と抱きつく。
でもそれはフッと消え、ひとりで喜んでいただけだった。
「いや…いや…いやぁー!!」
見たくない。現実なんか嫌だ嫌だ!
包丁を見つけ、自分の手を切ろうと、勢いよく振る!そして…!
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