人を信じるということ

2/8
前へ
/55ページ
次へ
朝…目を開ける。    お母さんは、帰って来てないようだ。       少しホッとし、学校に行く準備をする。      この独り暮らしのような生活には慣れてないけど、 昨日は‘友達’ができた。初めての友達。     それも男の子。     話す内容なんて思いつかないけど、こんな私と友達になってくれただけで、それだけでもういいの…。嬉しいから。        …でも…。       本当はまだ不安だ。   大丈夫かな…。 彼のこと信じていいのかな。                          学校に着くといきなりさつき達が絡んで来た。 「おはよー🎵今日は駿にちゃんと謝った方がいいよ?じゃないとさすがに痛いめに合うんじゃない?」 なんで? 榊原君は許してくれたのに。 「わっ、私は…その…」 「えーなに?全然聞こえないんですこど!」 ここははっきり言わないと続いてしまう。だからちゃんと言うんだ! 「だから…それは昨日…あ、謝って…」 「声小さすぎ!」 本当は聞こえているくせにわざと言っているように見える。 「だっ、だから…!」 「あーお前ら!俺の友達からかうなよ!」 その声にびっくりして後ろを見る。 そこには榊原君の姿があった。 「えー!!駿何言ってるの!?コイツサイテーなやつなのに!」 さつきが真唯をにらみながら言う。 「もういいんだよ!昨日ちゃんと、謝ってくれたし。だからもう…。俺の友達をいじめるな!」 「榊原君…。」 嬉しい。私のことを本当に友達だと思ってくれてるんだ。 信じて…いいよね。 「早瀬さん!これからもいろいろとよろしくな!」 「はっ、はい!よろしくお願いします!」 彩月たちは駿の言ったことがわかったのか、不機嫌そうに席に戻って行った。 これが友達なんだという実感が今もてた。 よかった。 お父さん(先生)!やっと…やっと! 友達できたよ! って報告しにいきたいな。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加