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「全く。この頃やつらは礼儀がなっとらんなぁ!」
「せ、先生。ありがとうございました!」
「気にするな。こういうのが教師の役目みたいなものだからな。それより、けがないか?」
「はい。大丈夫です。」
「ならよかった。よし、教室入るか。」
「はい!」
大丈夫。私はひとりじゃない。だから、がんばれる。
さつき達が真唯を見て
「アイツ駿君だけじゃなくて、慎哉君にも近づいたらしいよ。」
「はぁまじで!?チョーサイテー。」
その言葉が心を刺す。痛いよ……。
「ほら!そこ!五月蝿いぞ!」
でも仲乃先生が助けてくれる。
「はぁーい。すいませーん」と悔しそうに言う。
顔が怖い。睨まないでほしい。
~昼休み~
いくらひとりじゃないとしても、この時は辛い。
下を向いて、少しずつお弁当を食べなければならない。早く食べてしまえば、その場をしのげない。何かやっていると、そのぶん話しかけられなくえて済む。
内山さん達とは関わりたくないから……。
「早瀬さん。」
自分の名前を言われビクッとする。
榊原君だった。
「今日天気いいから、一緒に屋上で食べない?」
「えっ!?」
うそ…。友達とは言ってくれたけど、ここまでしてくれるとは思わなかった。
「せっかくだし、行こう?」「あ、はい。ありがとうございます。」
私達は屋上に向かった。
その様子を見ていたさつきは……。
「ちっ!」
と舌をならした。
その他に見ていた女子が 「えー!!何で早瀬さんなの!?」
「まじありえない!!」
などの声がとびかう。
そこで「ねぇ?」
とさつきが切り出した。
「アイツ、ムカつくと思わない?駿に慎哉をとるなんて?」
それにみんな同意し、さつきの回りに集まる。
「分かる!どこのどいつか知らないけど調子乗りすぎじゃない?」
「だよね!!まじない!!」
「アイツ駿君と慎哉君イケメンだから狙ってんじゃないの!?」
「うわぁ!サイテー!自分ブスなくせに!」
愚痴で教室の中がうるさくなる。
「ちょ…、女子うるさ。」
教室にいる男子が不愉快そうに言う。
「しかたねぇだろ?榊原も椙田も人気たけぇんだから。」
「ははだよなぁー。この頃は顔フェチ多いよな。まじ人間中身だろ?」
「と言いたいけどな、あの二人は性格もいいらしいから。」
「まじかよ。じゃあ絡んでみようかな。そしたら女子に近くチャンスになるし!」
「はは。だな。俺もそうしよ♪」
そう。彼らは男女共にたいへん人気が高いのだ。
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