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暖かい。そう思いながら目をあける。
まただ。
私に誰かが声をかけている、すごく幸せな時。
これが現実だったらいいのに……。
私の名前は早瀬真唯。
ごく普通の女子高生になるはずだった。
でも私は、小学生の頃、母親から虐待を受けた。
父はそんなお母親に着いていけず、女と浮気し、今は行方が分からない。
小学校五年生から虐待を受けていた私は、それから独りになっていった。
お母さんの噂話はすぐに伝わり、
仲がよかった友達が
どんどんいなくなっていった。
人からどう思われているか分からない。怖い。…
そんな調子で、イジメにあい、不登校になっていた。
でも家もとても居れる状況ではなかった。
奴隷のように母親から使われる毎日。
私の居場所なんて、どこにもなかった。
私は何で生きてるの?
私の存在価値はあるのだろうか…と何度思ったことだろうか。
そんな中、心療内科の医師と知り合い、自分を見つめ直すことができた。
自分の事を理解してくれる人達がほしい。
心が治って行く中でそう思い始めた。
“友達”がほしい。
その想いはだんだんと強くなった。
私は先生と話し合いながら、懸命に努力をした!
そして今現在、その高校の入学式に行くところなのだ。
不安な気持ちでたまらない。
だけど、進むんだ。
自分の決めた道だから!!
ブレザーを着て、自分の顔を少し隠したいために、伊達眼鏡をかける。
準備は整った。
後は自分次第!!
通学路を歩いていると…
“ドン!!”
と横から走って来た人とぶつかった!
お互い尻餅をついた。
おそるおそる相手の方を見た。
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