私の思い

4/10
前へ
/55ページ
次へ
いや、そんなことない。私はただ、みんなと同じように過ごしたいだけなのだから。 だから、きっといつか…そんなふうになれるはずなんだ。              だが結局今日は、誰にも声をかけることができなかった。明日こそは……。変わらなきゃ…。 そう思い荷物をまとめて教室を出る。誰かに見られるような…そんな気がした。             真唯が出ていった後、榊の周りにいつものメンバーが集まる。 「ねぇ駿!あいつなのぉ?今日ぶつかってきたやつ!!」          ボーイウィッシュがまじったヤンキー系のさつきが声を張り上げる。     「あぁ、アイツまじ舐めたマネしやがって!」   そう声を張り上げたのは被害を受けた彼、榊駿(さかきしゅん)である。今日のことに腹をたてている。 すると男仲間が     「あれなくね?完全根暗じゃん?まじきもいし!」 それに対して駿は…。 「仕方ねぇだろ?友達がいねぇんだよ。まじ可哀想なやつだな!」 「だよねーまじうけるっ」 と返すさつき。 「で?」        メンバーの一人が声をあげる。 「アイツどうする?榊。」「あ?んなの決まってる!あの礼儀知らずの根性を叩き治してやるよ! ……それにアイツは…。」    「その他にもあるの?」 さつきが聞いた。駿は怒りを顔に出して      「アイツは…。俺の!!…!」                       その頃真唯は夕御飯の買い物をし、家に着くところだった。扉を開けると   「!?!?」       びっくりして、おもわずレジ袋を落とす。     部屋が有り得ないほどに散らかっている。誰がこんなこと……。 まさか!!!      「あら、おかえり。」 暗い所から聞き覚えのある声が!! 「久しぶりねぇ、真、唯」あの鋭い目。何かを企んでいるような唇の動き。そう。あなたは…!
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加