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いや、そんなことない。私はただ、みんなと同じように過ごしたいだけなのだから。
だから、きっといつか…そんなふうになれるはずなんだ。
だが結局今日は、誰にも声をかけることができなかった。明日こそは……。変わらなきゃ…。
そう思い荷物をまとめて教室を出る。誰かに見られるような…そんな気がした。
真唯が出ていった後、榊の周りにいつものメンバーが集まる。
「ねぇ駿!あいつなのぉ?今日ぶつかってきたやつ!!」 ボーイウィッシュがまじったヤンキー系のさつきが声を張り上げる。 「あぁ、アイツまじ舐めたマネしやがって!」 そう声を張り上げたのは被害を受けた彼、榊駿(さかきしゅん)である。今日のことに腹をたてている。 すると男仲間が 「あれなくね?完全根暗じゃん?まじきもいし!」 それに対して駿は…。
「仕方ねぇだろ?友達がいねぇんだよ。まじ可哀想なやつだな!」
「だよねーまじうけるっ」 と返すさつき。
「で?」 メンバーの一人が声をあげる。
「アイツどうする?榊。」「あ?んなの決まってる!あの礼儀知らずの根性を叩き治してやるよ! ……それにアイツは…。」 「その他にもあるの?」 さつきが聞いた。駿は怒りを顔に出して 「アイツは…。俺の!!…!」 その頃真唯は夕御飯の買い物をし、家に着くところだった。扉を開けると 「!?!?」 びっくりして、おもわずレジ袋を落とす。 部屋が有り得ないほどに散らかっている。誰がこんなこと……。
まさか!!! 「あら、おかえり。」
暗い所から聞き覚えのある声が!!
「久しぶりねぇ、真、唯」あの鋭い目。何かを企んでいるような唇の動き。そう。あなたは…!
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