2人のクリスマス

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『マリ』 俺の声に飛び起きた 『ビックリした~、お帰り~』 『遅くなってごめんな』 『ううん、帰って来てくれただけで嬉しい』 そう言うと座ったまま無言で両手を広げる 抱き締めてもう一度言った 『ただいま、遅くなってごめんな』 『ううん…』 抱き締めていた腕を解きプレゼントを渡した 『メリークリスマス』 『ありがとう…』 イメージしたより喜び方が薄い と同時にプレゼントを開けながら泣いている 『気に入らない?なんで泣いてんだ?』 『なんでない…、嬉し涙。ありがとう…。コウちゃん…なんでこんなに優しいの…』 『なんでって…、マリが好きだからマリの喜ぶ顔が見たいから』 マリはピアスを握り、バッグを持っまま抱きついて泣いた 訳がわからずそのまま泣かせた 泣き止んだマリはプレゼントを置くと立ち出し、2人で撮ったフォトスタンドの前からリボンの付いた小さな包みを取って差し出した 『プレゼント。メリークリスマス』 泣き腫らした目のマリからのプレゼントは純銀のジッポライターだった
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