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マリの要望で向かったのはチャイナレストラン
アトラクションと同じような長蛇の列にへきへきしながらも待っているとどうやらテラス席しか空いていないらしく、待っている人が一組また一組と列から離れて行く
『寒いな…、大丈夫か?』
『大丈夫。』
そう言って列から先頭を眺めるマリ
アトラクションの列でもそこでもマリを時々暗い表情を見せて何かを考えているようだった。
1時間ほど待ち、ようやく順番が来て店内に入るとカウンター席が空いていて案内された
ラーメンと出来たての点心で身体を温め、またアトラクションのやショーを楽しんであっという間に時が過ぎた
遅い夕食を済ませもうすぐ閉園
冬空に上がる花火を周りの客が歓声を上げて見上げる中マリが言った
『コウちゃん…』
『ん?どうした?』
マリは涙を浮かべていた。
『⁉どうした?具合でも悪いのか?』
首を横に振る
『違う…』
『じゃなんで泣いてるんだ?』
『コウちゃん優し過ぎる』
そう言うと同時に大粒の涙を流した。
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